行政手続きネットで完結 デジタルファースト法案が衆院通過

日本経済新聞の記事です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44619210Q9A510C1EA3000/

行政手続きを電子申請に原則統一するデジタルファースト法案が10日の衆院本会議で与党などの賛成多数で可決、参院に送付された。引っ越しや法人設立の際、パソコンやスマートフォン(スマホ)を使ってインターネット上で申請できるようにする。住民の利便性向上と行政の効率化につなげる。与党は今国会での成立を目指す。

同法案ではマイナンバー法と公的個人認証法、住民基本台帳法を一括して改正する。(1)手続きをIT(情報技術)で処理する「デジタルファースト」(2)同一の情報提供は求めない「ワンスオンリー」(3)手続きを一度に済ます「ワンストップ」――の3原則が柱となる。

国内で行政が関わる手続きは2016年度時点で住民票の移転や児童手当の申請など約4万6000種類ある。そのうち電子化されているのは1割強だ。政府はまず行政手続きを電子化する。将来的には不動産契約など民間同士の手続きもネット上で済ませる改革も視野に入れ、社会全体のデジタル化を進める。

デジタルファースト法案とは

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO42386590T10C19A3EA2000/

▼デジタルファースト法案 行政手続きを原則として電子申請に統一するための法案。行政手続きをネットでできるようにする基本原則を定める。法案が成立すれば、引っ越しや介護の手続きがネットで完結できるようになる。個人は申請書類を書いて役所に持参する手間が省ける。行政機関にとっても情報の照合や入力するための作業が減る。官民の生産性を高める狙いがある。

政府は2018年6月に閣議決定した経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で行政手続きのデジタル化の推進を盛り込んだ。与党はデジタル化の理念や推進策をまとめた議員立法「デジタル化促進法案」を18年秋の臨時国会に提出する方針だったが、他の法案の審議が優先され先送りとなった。政府が今国会に法案を提出する。

行政のデジタル化で日本は遅れている。スウェーデンは既に引っ越し手続きをネットで一括で済ませることができる。米国は社会保障や税務の多くの手続きが電子化されている。韓国では政府が医療費などの国民のデータを自動的に集めている。個人が税務で行政に申告する作業は日本に比べて大幅に少ない。

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