〈会社法メモ-02〉定款のスマホ認証、会社設立手続きが最短1日に

政府は、株式会社の設立時に必要な定款認証をスマートフォンで行えるよう手続きを2018年度中に変更することにしました。現状では、定款の認証のために公証役場に自身が出向くかもしくは行政書士などの資格者に委任する必要がありますが、政府の決定はこの手続きを簡便にして起業しやすくすることを狙ったものです。法務局での登記が完了するまでの期間も、現在の原則10日間から将来的に最短で約24時間に短縮されるようになります。

法務省が公証人の審査などを定めた省令を改正しますが、これは法制審議会での審査や法改正は不要なため、今年末までに改正されます。

スマホを使った認証手続きには、テレビ電話機能が使われることになります。起業を希望する人(つまり発起人)は、テレビ電話機能で公証役場と連絡をとり、直接公証人と話すことができるようになります。既に定款の文書は電子データで提出できることになっていますので、公証人はテレビ機能の映像で本人を確認し、定款内容をチェックして定款を認証します。本人確認のための運転免許証・マイナンバーカード等との照合やその他の書類の確認なども映像でやりとりします。

2020年度からは、認証済の定款のデータを公証役場から法務局に直接送るシステムを構築し稼働させます。これによって定款を認証した後、すぐに登記の手続きに移れるようになります。これまでは認証後に発起人が公証役場からCD-Rなどで手渡しで受け取り、改めて法務局に提出していました。

現状では、定款を認証した後に会社登記の申請が受け付けられていて、原則として定款の認証に7日程度、登記手続きに3日程度の計10日間ほどが掛かっています。将来的には、定款認証の依頼と同時に受け付けられるようになります。これにより、定款認証と登記手続きを同時並行して進めることで、設立手続きの完了まで24時間で済むようになります

公証役場は全国で286カ所あります。東京都内には45カ所ありますが、地方では1県に数カ所という場合も多いです。スマホを使ってオンラインで手続きができるようになれば、地方での利便性の向上にもつながりそうです。

 

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